日本では医療保険には強制的に加入しなければいけません。しかし、なぜ強制加入にする必要があるのでしょうか?世の中には生涯病気にならない人もいますし、生まれつき病気がちな人もいます。このように、病気に対して様々なリスクタイプの人がいるので、リスクが低い人にとって医療保険に加入することは非常に不利に思えるかもしれません。もしも、医療保険への加入が自由でしたら、当然低リスクタイプの人は加入しません。しかし、その場合医療保険は機能しなくなってしまうのです。 医療保険への加入が自由の場合、加入するのは中リスクタイプの人の一部と、高リスクタイプの人だけになってしまいます。
このように加入する人の人数が減っていくほど、当然保険料は高くなっていきます。すると、次第に加入していた中リスクタイプの人も医療保険から脱退していくことになります。このように、加入人数が減り、保険料が高くなり・・・という繰り返しが生じ、高リスクタイプの人のみが保険市場に残ります。保険者側も、損失が生じてはいけないので、最終的には高リスクタイプの人の医療費とほぼ同じくらいの保険料が設定されることになってしまいます。 ここでもしも保険者側に、あらかじめどのようなリスクタイプの人がどれくらいいるかということが分かっていれば、保険者は妥当な保険料を設定することができます。しかし、そのためには事前の健康チェックが必要となります。
健康チェックにはもちろんお金がかかりますが、そのお金は誰が負担するのかという問題が出てきます。さらに、もし健康チェックを行えたとしても、高リスクタイプの低所得者は保険料が高すぎて支払えないという問題も出てきます。それでは高リスクタイプの人たちに、必要最低限の生活水準が保証されなくなってしまいます。そこで、代替案として考え出されたのが医療保険への強制加入なのです。強制加入ならば保険料も低く設定されるので、全ての人の必要最低限の生活水準を保証することができます。このようにして医療保険は強制加入という仕組みになったのです。